こんにちは坂本です。オタクのノベルゲームレビューも早二桁回に突入です。
1.あらすじ
ー坂の上のお屋敷には、二人の魔女が住んでいるー
1980年後半。華やかさと活力に満ちた時代の黄昏時。
都会に下りてきた少年は、 現代に生きる二人の魔女とすれ違う。
少年はごく自然に暮らしてきて、
彼女は凛々しく胸を張って、
少女は眠るように隠れ住んで。
三者三様の星の巡り。
交わることなんてもってのほか。
何もかも違う三人の共同生活が始まるのは、 あと、もうちょっと先の話───
※ネタバレを含みます。未プレイの方はブラウザバック推奨です。
2.登場人物
魔法使い見習い。信じた事はとことんまでつっぱる姉御肌。意外と普通の女子高校生。
久遠寺有珠
坂の上のお屋敷の城主。魔女。
静希草十郎
電気もない山奥から町に降りてきた少年。純粋で平凡な男子高校生。
3.感想
-ゲームを超えた演劇のような臨場感-
草十郎とのエンカウントと同時に青子の人となりを説明している。
青子の感情ベースで話が入ってきやすい反面、音楽、CGとあった丁寧な文章で読みやすく、 ただ文字を読むテキストゲームというよりは舞台上でテキスト、音楽、CGが一体となり、読み手も当事者の一人となる。演劇に近く感動しました。
遊園地は急転直下2点3点し、ページをめくる手が止まらなかったです。
最初の青子の印象は我が強く自分の信念があり他人に厳しい描写が意図的に描かれているが、物語が進むにつれて人情深い一面が垣間見えていいですね。その人情深さが長所であり短所になるのですが。覚悟は祖父から継いだあの日からできているが、本質は猫の頃から変わっていない。
マザーグースの元ネタの説明してくれ元ネタを知らなくても話が理解できる。が、ストーリーを読み進めるにあたって最低限の情報しかなく、その他は自分で調べ、元ネタの深掘りする楽しみをを残してくれているのは最高でした。
青子の心情の変化が乱戦の中で起こさせる草十郎の気遣い、冷静さはすごいと思いました。だがその反面常識から外れた草十郎の思考、行動原理によって話が回っていく点が非常に面白かったですね。伏線回収の綺麗さ。
「人殺しは、いけない事だ。」、「知らなければ、良かったのに」など今まで読んだ片月作品の中で一番哲学的でした。
最後の話は選択肢があり普通のアドベンチャーとしても楽しめた。おまけの後日談ということもあり話がそこまで長くなく、√回収が容易だったことも〇。
4.システム
1章が短くテンポよく読みやすかったです。
ロード後のログを見返しても前回読んだテキストまで遡れ、どこまで読んだか把握で分かりやすい。ログから任意の場所べジャンプできないのは残念でした。
システムメニューやセーブコマンドを開くと選択ボタンに自動的にカーソルが配置されるのはストレスフリーでした。
選択肢がなく、立ち絵や背景、エフェクトが分離していて自由な演出で素晴らしかったです。
5.最後に
前情報が蒼崎橙子の妹が出てくるということしか知らなかったですが、そのおかげで新鮮味のあるプレイができ非常に満足できました。劇場アニメーション化決定、今冬にはフルボイスでCS版が出るとのことなので今から楽しみですね。
それでは~
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