こんにちは坂本です。書淫今年の初めまで30万円台だったのに今マーケットにある最安値55万円ですよ。書淫に限らずプレミアゲー全般値上がり尋常じゃないですね。積んでるんでそのうちやりますか。
それでは本編レッツゴー!
1.あらすじ
今日から五月ーー春の温かさは「花粉と共に蔓延しているはずなのに、
それを吹き飛ばしてしまいそうな存在がそこにはいる。
体の芯から冷えるような雰囲気は、
紛れもなく彼女が生み出しているのだろう。
一人暮らしを始めるときにい少し奮発して買った居心地の良いベッドも、
既にその綱領は無に還った。
枕から、約五メートル。
石像のように部屋の隅に座る幽霊少女は、
僕の一人暮らしに充実感を喪失させていた。
「きみはだれ?」
と僕は訪ねて。
『かすみ』
と、声ではなく文字でそう答えた。
そんな幽霊少女と初めてコンタクトを取ったその日、五月の始まりに。
「透明」な物語は、僕達の帰る家「苑馬荘」を中心にして動き出したーー。
‘‘しとしと‘‘と、‘‘ぽつぽつ‘‘と、‘‘ざあざあ‘‘と。
僕の中でクリアレインは悲しく降り注ぐ。
2.登場人物
霞
幽霊少女。
千崎 凪
苑馬荘住民。趣味は天体観測。主人公。
3.感想
第1話 人魚の呪い
1話ということで千崎の性格、信念、人間関係が簡潔に描かれていて理解しやすかったです。
霞ちゃんの声が戻ったボイスがあれば鳥肌が立ったでしょうね。ボイスなしなのがもったいないですね。ぜひリメイクを。
千崎のマイナスの心象風景を「透明な雨」と表現しているのはオシャレでした。タイトル回収が思ったより早かったですね。
第2話 トイレの口裂けメリーさん
声が戻り他人から視覚されるようになり、千崎との距離感の変化が生まれ人間味を表現している。友達を作りたいという江渡君にキッカケを作られ、友達がいなかった哀に本心を気付かされるという綺麗な繋がり方でした。
第3話 ステルスメイト
読み進めていくと気づく違和感を叙述トリックでうまくかわして純粋にテキストを楽しませてくれました。結局似た者同時の兄妹が分かり合うというありきたりなオチでした。ただテレスが成仏したのは意外でしたね。いままでの流れだと現世に残ってハッピーエンドだと思ったのですが。
第4話 自己投影幻視体
炎の夢の描写が出た時点で空さんの過去に火事があったことは想像できましたが、寝るたびに炎の夢の描写が出てくることで前日を繰り返していることを表現しているのはよくできているなと思いました。
今の空さんの性格は幼少期の反動からくるものだと考えると、よく考えられていて精巧に描写されているなと思いました。
第5話 眠りの森の姫君
紫の意外な一面。紫の他人に対しての考えを「他人にあるべき姿を求め、自分の理想を押し付け強要する」という具体的な言葉を聞き、紫の千崎に対する当たりの強さを納得させてくれる一言でした。これ言語化できるのすごいですね。
それに対しての紫の返しが、「もっと好きになりたいから、嫌いになりたくないから他人に自分の理想を重ねる」という一種の愛情表現で理想を押し付けるということ。他人を嫌いたくないが故の行為ということで紫にも考えがあり正当性があるなと思いました。
最終話 死神隠し
千崎の違和感を理解する神作。他人を世界を拒絶する千崎に自分を重ね、自分のようになってほしくないと自分との関係を拒み普通の生活、普通の幸せを望み一見無慈悲なような去り方をしたのは実に千崎のことを想っている行動だなと思いました。
すべての複雑怪奇な物語が収束し、終盤での二転三転、壮大な伏線回収と最終話にふさわしい読み応えでした。
後述でもあった「神作乃々香の失恋の物語」の通りの話でした。
4.システム
セリフが漫画のように吹き出し上に表示され誰の発言なのか一目でわかり読みやすく画期的だと思いました。ただログで見ると話し言葉に鍵括弧がなく他のテキストと混ざり読み返しにくいのは残念でした。
1話が1時間程度で読め、読みやすかったです。
5.最後に
ということでいかがだったでしょうか。突発的に買ったソフトですがテンポよく読めるのに読みごたえがあって非常に楽しかったですね。いままでやってきたノベルゲームの中でもかなり上位に入る作品でした。ぜひやってほしい作品ですね。買えればですけど..... 次は空想彼岸かEver17でお会いしましょう。
それでは~
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