坂本のブログ

僕の備忘録です

オタクのノベルゲームレビューVol 14~Dreamin' Her - 僕は、彼女の夢を見る。~

 こんにちは坂本です。皆さまお久しぶりです。まじで一本のゲームに何か月かけてんだって感じですけど僕もそう思います。クソ時間かかりました。

 

 ※ネタバレを含みますので未プレイの方はブラウザバック推奨です。

 

 

 

 1.あらすじ

 画像

 

五十嵐蒼は疲れていた。

 母親の希望に合わせた受験勉強漬けの日々。

 趣味の小説もうまく書けない。

 自分の存在意義まで疑う高校3年生の夏。  

 彼の癒やしは幼馴染の七瀬未来だけ。

 彼女と一緒にいられる時間が、 唯一、蒼に安らぎをもたらしてくれていた。  

 だが、そんな未来にすら理由もわからず拒絶され、

 絶望に染まる蒼の夢に、"彼女"は突然現れた。  

 

 

 ――そこは、美しい海だった。 薄桃色の砂浜に、一人の少女が佇んでいる。  

 七瀬未来にそっくりな、夢の中の彼女――  

 

 

 夢が、現実を侵していく……

 

 

 

 2.登場人物

 未来

 蒼と幼馴染の明るく元気な女の子。

 高校で再会した彼女は、昔と変わらず魅力的だった。  

 両親が仕事で家を空けがちな蒼を起こしに来たり、 ご飯を作ってくれたりしてくれる。  

 彼女だけが癒しだと蒼が思い始める頃、 なぜか未来は蒼のことを拒絶してしまう。

 

 架子

 主人公の夢に突如として現れた、
 幼馴染の「未来」にそっくりな少女。

 美しい海、遠くに灯台の見える 
 砂浜に佇んでいる。

 現実世界で蒼を拒絶した彼女とちがい、
 とても優しくなつっこく接してくれる。

 彼女は自分の名を「架子」と名乗る。

 

 五十嵐 蒼

 生き方に悩んでいる主人公。
 幼馴染にそっくりな女の子が出てくる夢を見始める。

 

 

 

 3.感想

 

 なんでもなかった幼馴染の頃とは違い、お互い高校生になり暗い過去がありながらも周囲の目を気にしながら未来のことを想ってしまう繊細で甘酸っぱい恋模様。未来が物怖じしない性格でなかったらこうはなってなかったと思う。

 大学受験という名のラストダンジョンを越えたところで、母の良しとする就職先に採用されるために無限の苦行を重ねなければいけないという本質に気づいてしまう。それを母親本人に聞くという小説家の夢を諦めきれない思いがひしひしと伝わりました。「子供に選ばせるフリをして、すべて自分が選ぶ。」、「子供の人生に見せかけた、母親のゲームのリトライ。」

 紀伊国屋、セブンデイズとのクロスオーバー。

 蒼の想いを知っているにも関わらず架子は、夢の中の未来として一歩引いた立ち位置で語っているもどかしさ。

 良心に従い罪を告白したが、結局理解されるどころかキレられてしまう始末。母親の言い分も正しいため結局平行線。大いなる矛盾、自らの過ちの気付き贖罪をするのは素晴らしい。

 直接は言わないが昼夜がある、雨が降るなどの天候があるなど心象風景であることが分かりやすい描写でした。

 

 End1

 嫌~な終わり方。架子が葛藤して葛藤したが結局蒼が望んだからと蒼を連れて行くという終わり方。最終版の分岐なし選択肢2連続が葛藤している長い長い時間を表現できていて良かったです。ここまでの終わり方であれば望んだとおり架子と共にいられるNormal End程度で解釈できたのですが、最後の最後で蒼がベッドに横たわり母親が救急車を呼んでいるという急に現実に戻され一大事が起きているという場面を見させられ後味が悪かったです。3つある√の内の1つでしかないのでこういう√も必要だとは思いますが非常に重かったですね。

 

 End2

 現実を書き換えるってギガロマニアックスかよ。というのは置いといて。

 カフェの店員が席案内に言葉が詰まる、水を蒼の前にしか置かない描写など架子がいないことを示唆させる描写がありこちらに意図をくみ取らさせようという気概を感じられました。ただここまでしたのであればもう少し泳がせてもよかったかなと思いました。ちょっと回収が早かったかと思います。

 End1に引き続き唐突で説明のない終わり方でしたが、BadEndということもあり解釈はこちら次第で考えされられるというのかよかったです。

 

 End3(True)

 まさか未来が過去に実在したとは驚きました。いままで架子の分身だと思っていたが紡凪という別人を分かり、好意があるのにも関わらず一歩引いた立ち位置で二人を見守るなどそーとーよくできてますね。母親に奪われた生きる意味を紡凪に教えてもらうというきれいな流れ。

 最後におやすみと言い架子からのキスで終わり→ED→蒼が目覚め未来のおはようで始まるの架子(過去に終止符を打ち、未来(未来に向かって進むというのが名前のダブルミーニング共相まっていいですね。

 母親や生徒を見て結局人間の本質は変わらないというのはこの作品らしいなと思いました。

 

 

 

 4.システム

 白黒を基調としたUIに、細字でシャープなフォントが相まってゲームのモチーフのイメージがつかみやすかったです。

 ログから任意の場面までジャンプできるのは便利でした。

 トーク画面を多用していたのでログではトークでの会話と区別できるようになっていればログを振り返るのが分かりやすかったですね。

 

 

 

 5.最後に

 ということでいかがだったでしょうか。学歴社会の為の受験勉強、自分のエゴを子供に押し付ける毒親、社会、他人との付き合い方など実に現実的で過去の2作品とかけ離れており全体を通して良い話ばかりであったとは言えないが、我々がいる現実の延長線上であるということが話に入りやすく、共感しやすく、読み物として非常に秀逸であったと思います。何かについて考えさせられるといった、ルクルのクリアレイン、空想彼岸、壊レタ人ギョウなどに近くまたこのような内容の作品を作ってほしいと強く思いました。

 死ぬ程面白かったです。やり始めると夢中になれるのですが始めるまでが長くて困りますね。

 それでは~

 

 

 

 

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